森のようちえん 森のたんけんたい

森のたんけんたいは、愛知県春日井市の森の中で活動しています。子どもの主体性を尊重し、自分や相手の気持ちを大切にしながら保育を行っています。自然の中での活動が主ですが、音楽、造形、劇などの芸術活動や表現活動なども行っています。

助け合いおうちごっこ


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子どもたちは「おうちごっこ」が大好き。最近のおうちごっこは設定も複雑でさまざま。大家族になっていったり、出入りも自由で緩く、性別や年齢関係なく、仲間関係もより広がっていきます。

いろんな家庭があって、子どもたちも自由にそれを受け入れているかんじが、大人も参加していて、とても心地よいです。その子自身や、子ども同士の関係を知っていくこと、関係を深めていくことにつながるし、発想や遊びの自由さを学んだりと、こんな遊びに参加できる時間が、スタッフとして、とても有意義でしあわせです。

お母さんやお父さんはもちろん、ジンベイザメ、ひよこ、さる、猫、チーター、ライオンなど、いろんな生き物たちがひとつの家族となったり、お父さんやお兄ちゃんは「ドロケイ」や「たたかい」が仕事という設定で、別の遊びと平行して、一段落すると家庭に戻って、子育てをしたりします。いろんなごっこあそびが連携しあって、警察や病院がすぐ近くにあって、うまく絡み合い、展開も楽しいです。

「おうちごっこ入れて~」「いいよ~」「何役空いてる?」「生きてるものならなんでも!」なんて声も聞こえてきます。生きてるものならなんでもいい、自由で、いい感性だな~。

もちろん、役決めでけんかすることもあります。「大きいお父さん」と「小さいお父さん」の取り合いで・・。「中くらいのお父さん」という妥協点もあるようです。

ある日のおうちごっこでは、スタッフがお母さんで、赤ちゃんが3人と、小さいお姉ちゃんが1人の家族でした。赤ちゃんはみんなでお母さんを取り合ったり、それぞれ要求が激しく、泣いてわめいて大騒ぎ!スタッフが、1人での子育ては大変と実感していると、少し離れたところでおうちごっこをしていた家族が遊びに来てくれました。

「こんにちは~」と挨拶をしたり「この近くに住んでるんですか?」なんて世間話をして、しばらくすると、近所のお母さん役のHちゃんが「赤ちゃんが生まれたと聞いたので、ケーキを作ってきましたよ~!」と持ってきてくれてびっくり!

赤ちゃんのお世話にかかりきりで忙しいことに気付き「保育園の送り迎え、わたしが行きましょうか?」と近所のお姉ちゃん役のRちゃん。

近所のお父さん役のYくんが遊びに来ると、赤ちゃん3人はぴったりくっついて甘えて、心を許しているみたい。

おかげでお母さんもやっと身動きが取れるようになり、家事ができたり、自分のことができたり。「本当に助かります~。ありがとうございます。」とつい心からみんなに感謝しちゃいました。

子育ては助け合ってみんなでするもの。子どもたちは、自分たちの家族や、たんけんたいの家族を見て、感じて、おとなたちが日々助け合ったり、それをも楽しみながら生活している姿を、表現しているのでしょうね。この遊びに見事に体現されているように感じました。

この「助け合いおうちごっこ」が楽しくて、帰りのベルが鳴っても「明日もこの続きやろうね~!」と口々に言い合い、子どもたちの表情が生き生きとしていました。

助け合う感覚って、教えられて培われるものじゃなくて、助け合える環境(認め合えたり、失敗し合えたり、許し合えたりできる環境)のなか、日々の体験のなかで自然に得ていく感覚だとおもうので、どこにいても、そんな人的環境をつくる一員になりたいです。

と、いろいろ感じた「おうちごっこ」でした。次はどんなおうちごっこに出会えるのかな。

ゆきほ