森のようちえん 森のたんけんたい

森のたんけんたいは、愛知県春日井市の森の中で活動しています。子どもの主体性を尊重し、自分や相手の気持ちを大切にしながら保育を行っています。自然の中での活動が主ですが、音楽、造形、劇などの芸術活動や表現活動なども行っています。

やさしさが連鎖するノコギリコーナー

サンタさんからのクリスマスプレゼントに、年中さんはノコギリと手作り縄跳びをもらいました。

ノコギリを使いたくてしょうがないJくんとHTくんは、待ってましたの焼きいもの日、火起こしのための薪集めよりも、ノコギリを使いたい気持ちでそわそわしていました。

「ノコギリで切れるような枝を探しに行かない?」と提案すると、一気に表情が明るくなり張り切る2人。長くて立派な枝を見つけて、森から運んで来ては意気込んでいました。
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火起こしチームとノコギリチームに分かれたところ、ノコギリコーナーは年中を中心に大にぎわい。2~3人のチームになって切ることにし、お互い話し合って、切る子と押さえる子に分かれたり、自分で押さえながらみんなで切ったり、交代交代で切っていきます。

するとそこへ、火起こしチームだったRくんがノコギリをやりたいとやって来ました。ノコギリを持ってくるのは忘れてきたとのことで、ようちえんのノコギリも他の子に貸してしまっていて、すぐにノコギリは貸してあげられません。チームで協力しながらやっている子どもたち。どこかのチームに入れてもらえるかな?と考えていると・・。
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HJくんがすかさず来て気付いてくれました。ノコギリも、自分が切っていた場所も、快く譲ってあげるHJくん。Rくんも照れて嬉しそうな表情でした。

HJくんは、もうノコギリは満足できたのかな?そう考えていると「HJもノコギリやりたい・・」と寂しそうな声でつぶやくHJくん。ああ、そうだよね。自分のなかの譲ってあげたいっていうやさしい気持ちが出てきて、つい譲ってしまったけど、ハッと気付くと、自分はまだやりたいのに、ノコギリも場所もなくなってしまった・・。HJくんの表情から、そんな様子が伝わってきました。

他のチームの子にHJくんの事情を話すと、快く受け入れてくれた子どもたち。HNくんは、切っていた手を止めて交代してくれた。チームに入れてもらえてHJくんも嬉しそう。Mちゃんも使い終わったノコギリを貸してくれて、ノコギリを貸したRくんのチームに戻っては、3人で真剣に同じ枝を切る姿は、印象的だった。
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やさしさがめぐりめぐって返ってきて、連鎖していたノコギリコーナー。サンタさんからのプレゼントは、ノコギリをきっかけに、こんなあたたかい時間になっていきました。

ゆきほ